子どもの可能性を伸ばす方法~先の見えない時代を生き抜くちから~

子供の可能性を伸ばす

「今の子どもたちの65%は将来、今は存在していない職業に就くだろう」

このような言葉が有名になり、今現在もAIや様々なテクノロジーの進歩を続け、先の見えない時代に突入しています。

また、日本の終身雇用制度も終わりと叫ばれている時代です。

そんな中で、子育てをどうしていくべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。

「英語は乳幼児の時から触れさせるべき!」
「これからはプログラミング必須の時代!」

など、様々な声がありますが、このような知識やスキルの前に、子供自身の土台や自分で考え行動する力が必要だと考えています。

まなみコーチ

先の時代を生き抜くために、子供たちの伸ばしたい力や伸ばし方について解説します。

この記事でわかること
  1. 子供が自信を持つための2つの土台
  2. 自分で考えて行動するための3つの力
  3. 2つの土台と3つの力の伸ばし方
目次

なぜ土台や自分で考え行動する力が大切なのか?

先の見えない時代とは、正解の分からない時代とも言えます。

正解がわからない中で生き抜いていくには、他人に従って正解を求めることよりも、自分で考えて行動し、自分で道を切り開く力が必要です。

日本の公的な教育では、正解がある問題の解き方を学ぶ場面は多くありますが、正解のない問いに対して考える場面は少ないと感じています。

私は大企業の総合職として働いていましたが、自分の意見を求められる場面は多いですし、その傾向は今後加速すると感じています。

ですので、英語やプログラミングや学力などの知識やスキル以上に子供自身の土台や自分で考えて行動する力が必要だと感じています。

また、知識や学力をつけても、土台が整ってなければ、幸せになれないと考えています。

それは、私自身の経験からも言えることです。
参考記事:私のプロフィール

子供が自立することも必要だけど、なにより幸せに生きてほしい
そう思うからこそ、子供の2つの土台を整え、自分で考えて行動するための3つの力を伸ばしたいと考えています。

子供が自信を持つための2つの土台

子供が自信を持つための2つの土台
  1. 自己肯定感(自分の存在に対する自信)
  2. 自己効力感(自分の行動に対する自信)

一言でいうと、自己肯定感とは「自分はそのままで価値があるという感覚」、自己効力感とは「自分ならできる!という感覚」のことです。

自己肯定感と自己効力感が高まることで、自分を尊重して行動するための基礎ができあがります。

自己肯定感が低いとどうなるのか

悩む人

自己肯定感が低い状態とは「今の自分に価値を感じられていない状態」です。

その状態だと、外側の世界に自分の価値を求めるしかなくなります。

つまり、他人の評価を求めて他人の価値観に合わせて生きたり、他人に評価されるために生きてしまうということです。

一方で、自分がコントロールできるのは自分だけ。いくら頑張っても他人の評価をコントロールすることはできません

自分でコントロールできない他人の評価に頼って生きるのは、変えることのできない天気を毎日コントロールしようとするようなものです。そんなことを続けていても本当の意味で報われることはできず、生きるのが苦しくなってしまいます。

自己効力感が低いとどうなるのか

自己効力感が低い状態とは、できることでも「自分にはできない」と思って行動できない状態のことです。

人間は、多くのことを成し遂げる力を持っているのですが、自分の力や可能性を信じられず、行動しないといわれています。

そのため大半の人は、理想を実現する力をもっていながらも、最初からできないと諦めて行動しないため、夢や理想にたどり着けないのです。

自己効力感が低いことは、自分で理想の人生やチャンスを捨てることに繋がります。

自分で考えて行動するための3つの力

近未来のイメージ画像

これから先、今以上に変化の激しい世の中になるでしょう。

先が見えない、正解がない中では、一発で成功を狙うことはまず不可能です。そのため成功するためには試行錯誤を繰り返していくことが必要です。(PDCAの重要性も以前から叫ばれていますよね。)

試行錯誤を繰り返すということは、挑戦と失敗を繰り返し、失敗から学ぶ力が必要ということです。

しかし日本は減点式の文化で、減点になる失敗を過度に恐れて行動しなかったり、学校などでも失敗しないように教えられる傾向があると感じます。

だからこそ、家庭の中で自分で考えて行動する力、自分で試行錯誤できる力を伸ばすことが大切だと感じています。そのためには次の3つの力を育てることが重要だと考えています。

自分で考えて行動するための3つの力
  1. 主体性(自分で考え、挑戦する力)
  2. レジリエンス(失敗や壁にぶつかった時の回復力)
  3. 自己理解力(自分自身を知る力)

主体性(自分で考え、挑戦する力)

試行錯誤のためには、まず自分で考え、そしてそれを実行に移せる、つまりまず挑戦することが必要です。
自分で考えて挑戦する力をここでは主体性を呼ぶことにします。

挑戦するからこそ、失敗が生まれます。逆に言うと失敗していないということは、挑戦していない・成長できていないことともいえるのです。

また、主体性を持つためには、自分の意見を言ってそれを受け入れてもらえる経験、つまり、子供の考えや行動を尊重してあげることが大切です。

いうことを聞きなさい!大人の言う通りにしなさい! という環境に慣れてしまうと、次第に自分で考えることをやめてしまうことに繋がります。

レジリエンス(失敗や壁にぶつかった時の回復力)

レジリエンス(resilience)とは、失敗などの心理的にネガティブな状態になったときの回復力や弾性(しなやかさ)を表す言葉です。

挑戦すると失敗は避けられません。うまくいかなかったときに、落ち込んだり、心が折れて終わるのではなく、逆境から立ち治ることが必要です
実際、大概の失敗はなんとかなるし、大したことではありません。

しかし、人生の大半を失敗せずに生きていると、失敗を過剰に恐れる状態になったり、ちょっとした失敗で心が折れて立ち直れなくなったりします

成績優秀な子が、社会人になるとにちょっとした失敗で会社に行けなくなってしまう、という話もあります。

私自身も社会人になった当初はとにかく失敗したくない、失敗が怖いと思って仕事をしており、苦しかった思い出があります。

子育てでは子供の失敗を受け入れ、挑戦したことやプロセスを認めてあげたいところです。

自己理解力

自己理解力とは、言葉の通り「自分について理解する力」のことです。
自分を理解できているかどうかで、人生の生きやすさは大きく変わります。

自分を理解していないというのは、ゲームでいうと自分のキャラクターの属性や性能を知らずにプレイしているようなものです。同じゲームでも難易度が跳ね上がります。自分と相性の悪い敵と戦っては負けて、なんて自分は弱いんだ、このゲーム面白くない、と感じる状態になります。

逆に自分の属性や性能を理解できていれば、自分に相性が良く倒しやすい敵を選び、どんどん倒してレベルアップできますし、自分に合った強化をすれば能力も跳ね上がるわけです。

ゲームでは属性や性能がわかっていることが当たり前ですが、現実世界では自分の才能、価値観、好きなことなど、自分を理解していない人が圧倒的に多いと感じます。

自分の価値観や強みに合わないスキルをいくら身に着けても、なかなか成果につながりませんし、成果になったとしても充実感を得られない結果になりやすいです。

だからこそ、スキルの前に自分自身、子供自身のことを良く理解してあげることが大切だと感じます。

また、自己理解のもうひとつのポイントは、「自分で自分のことはわからない」ということです。これは人の特性なので仕方のないことです。だからこそ、子育てにおいては子供の才能を親が見つけてあげられることが大きなアドバンテージになると感じます。

2つの土台と3つのちからの伸ばし方

ここまで紹介した3つの力(主体性・レジリエンス・自己理解力)は、今の時代の会社員でも重要な力であり、一方で私自身は学校や部活、習い事で十分に身に着けられなかった力でもあります。

今の私自身もまだまだ伸ばしたい力ですし、だからこそ、子供の時から伸ばして上げられたらどんなに素敵なことかと思います。

この3つの力を支えているのが、2つの土台(自己肯定感・自己効力感)です。

ここからは、2つの土台と3つのちからを子育ての中で伸ばしていく方法を紹介します。

1.子供に愛していることを伝える

笑顔の家族

日本人は、愛情をストレートに表現するのが苦手な傾向にあると言われますが、是非子供には

「○○ちゃんのこと大好き」
「○○ちゃんはパパとママの宝物だよ」
「○○ちゃんがいてくれてママは嬉しいよ」

など、ストレートに愛情を伝えてみてください

子供に愛していることを伝えるのは、子供にとっての存在承認になり、自己肯定感が高まります

我が家では、毎朝、子供を抱きしめながら、「大好き」という言葉を伝えています。

2.子供が甘えたり、助けを求めてきたらそれに応える

子供が甘えてきたとき、「甘やかしたらわがままな子になれるんじゃないか…」と思うことはないでしょうか。

結論から言うと、子供から甘えてきたときにはそれに応えてあげてOKです。むしろ、応えてあげるべきです。

親は子供にとって「安全基地」の役割があります。

子供は不安になった時、親に甘えて助けを求めます。そこで親に受け入れてもらえることで安心でき、新しい行動や挑戦ができるようになります。挑戦してうまくいかなかったら、またこの安全基地(ママやパパのところ)に戻ればいい、と思えるわけです。

一方、子供が甘えてきたときに、冷たく対応してしまうと、子供は安心できずに不安が大きくなり、余計に一人で行動ができなくなって親の愛情を求める行動をするようになってしまいます。

ですので、親は、子供が「不安になったら助けてもらえる」と思えるような「安全基地」になることが大切なのです。そしてこれは甘やかすことにはなりません。

子供ができることを親が先回りして勝手にやってしまうことは、悪い意味での甘やかしになります。こちらはほどほどにしましょう。

3.子供を一人の人間として尊重する

子育て中はついつい「子供だから」「親の言うとおりにして欲しい」と親は思ってしまいがちです。

ですが、自分が子供だった時のことを思い出してほしいのです。親からガミガミ、あれをしろ、これをしろと言われると、やる気がなくなったり、放っておいてほしいと思うことはなかったでしょうか。

親が口出ししすぎることは、子供のことを信頼していない、というメッセージにもなり、子供の自己肯定感や自己効力感を下げることにつながってしまいます。

まずは、子供のことを信じて、子供の気持ち・意見・行動を尊重してあげてほしいのです。

子供が何かを訴えてきたら、まずは子供の気持ちに共感するような言葉をかけたり、子供の考えを聞いて決めさせてあげるといいです。そうすることで、子供は自分が受け入れられていると安心でき、自己肯定感が高まります。自分で自分の行動を決めていくことで自己効力感や主体性も高まります。

イメージは子供を「自分の仲のいい友達」と思って接することです。仲のいい友達に対して、あれしろ、これしろ とは言わないと思いますし、友達が悩んでいたり困っている時に厳しい言葉をかけることってないと思うんです。

子供の対応に困ったり、迷う時は、「この子が自分の仲のいい友達だったらどう接するか」と考えてみてください。

尊重する子育てについては、こちらの記事で詳しく解説しています

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4.子供に小さな成功体験を積んでもらう

人は、自分で何かに挑戦して、成功体験を積み重ねると自己効力感が高まります。それは子供も同じです。

しかし、挑戦してもいつも成功するわけではないですよね。そこで試してほしいことが2つあります。

  • 目標をスモールステップに分解する
  • できていることに目を向ける

例えば、宿題を自分で終わらせて欲しいのに、途中までしか終わっていなかったときに、「なんで宿題してないの!」と言うのではなく、できていることに目を向け、「自分で宿題やろうと頑張ったんだね」「宿題半分まで自分でやったんだね!」と声をかけるということです。

また、宿題そもそも全くしない、ということであれば、いきなり目標を「自分で宿題を全部終わらせる」にするのではなく、

毎日〇時までにはノートを開く➡宿題を1/5仕上げる➡半分まで終わらせる ➡全部終わらせる

スモールステップに分解することもできます。

そして、そのステップを超えるたびに「できたね」と声をかけます。

人は、前よりも進んでいる、という感覚があると自己効力感が高まります。ですので、できていないことをいきなり注意するのではなく、できていることに目を向けて前進している感覚を得ることで、「ここまでは成功したから次もできるかも!」と思えて、少しずつ行動できるようになります。

5.結果ではなくプロセスを認める

結果ではなくプロセスを認めることは承認にもなり、行動のモチベーションを持続させる効果があります。

プロセスを認めることは、失敗したときに特に有効です。子供が頑張ったけど目標とする結果に届かなかったときには

  • 目標を達成しようと~を頑張っていたね
  • ここまで~を頑張ったから、…はできるようになったね
  • 失敗したことで、学んだことはある?

といった声掛けをしてみて欲しいです。

失敗自体は何も悪いことではありません成功よりも失敗から学べることの方が多いものです。

失敗をどう受け止めるかについては、こちらの記事:子どもの成功のために必要なのは「失敗すること」 を参考にしてください

ですが失敗を責めるようなことをしてしまうと失敗を恐れるようになり、レジリエンスが下がってしまいます。

失敗してもプロセスやそこからの学びを認めることが、自己効力感やレジリエンスを高めることに繋がります。

6.子供の才能に目を向ける

誰にでも才能はあります。もちろん子供もです。

子供を一番観察できる親にこそ、子供の才能を見つけてほしいと感じます。

子どもが自然にやっていることの中から才能・強みを見つけて伸ばしてあげると、成果につながりやすく、子供も充実した時間を過ごすことができます。自己理解力の向上にもつながります。

強みを伸ばすメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。

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親から見て、「これは子供の良くないところだな」と思っていることが、実は強みであるというパターンも非常に多いです。親が強みに着目し、子供の見方を変えるだけで、子供へのネガティブ感情が減り、子育てが楽になるという効果もあります。

強みの見つけ方としてすぐにできる方法を紹介します。

まずは子供の行動を観察し、子供が自然にやっている行動や夢中になっていることに注目します。そしてその行動を強みとして言い換えると、どうなるか、と考えてみてください。

まとめ:子供の可能性を伸ばそう!

まとめ
  • まずは子供の土台自己肯定感自己効力感)を整えましょう
  • 3つの力(主体性・レジリエンス・自己理解力)を伸ばし、先の見えない時代に自分で考えて行動できるようにサポートしましょう。

土台と3つの力を伸ばす方法を6つ紹介しました。

子どもの力を伸ばす方法まとめ
  1. 子供に愛していることを伝える
  2. 子供が甘えてきたり助けを求めてきたときはそれに応える(親が子供の安全基地になる)
  3. 子供を一人の人間として尊重する(仲のいい友達のように接する)
  4. 子供に小さな成功体験を積んでもらう(スモールステップ・できたことに注目)
  5. 結果ではなくプロセスを認める(失敗を責めない)
  6. 子供の才能に目を向ける (弱み→強みに言い換える

子どもたちが、これからの時代をしなやかに自分らしく生きていけるように、まずできそうなことから少しずつ取り入れていただければと思います。

  • 子供の強みを知って伸ばしたい
  • 自分の強みを知って自分らしい子育てがしたい
  • 今の子育てをもっといい方向に変えたい
  • 自分の子育てに自信を持ちたい
  • 子育てを後悔したくない

1つでも当てはまる方は是非LINE登録から無料相談会にお越しください。

これだけ情報にあふれた社会でも、子育ての悩みを抱える人は多くいます。
それは、知識がいくらあっても、一人で変わるとことはすごく難しいからなんです。

本当に変わりたいのであれば、サポーターをつけることが一番確実だと私は実感しています。

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この記事を書いた人

【ライフコーチ:まなみ】
「誰もが自分らしく生きる」社会を目指してコーチとして活動中。認知行動療法・心理学や子育て・コーチングを活用。寄り添う傾聴を大切にしつつ、分析力を活かしてクライアントの気持ちや状況を整理し、問題の本質を探しあてることが得意。対処療法より原因療法。なんでも話せる無料相談会は公式LINEから。子育てに関わる大人を支援するNPO法人「こずえのつぼみ」参画。

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